第15回 「神学の区分(四)実践神学」
●実践神学
実践神学は、基本的に牧師(神父)になる人のための神学だ。キリスト教の目的は人間の救済なので、信者と接する牧師を育てる実践神学が、神学の諸分野でもっとも重要ということになる。牧師以外にも、キリスト教主義の中学校や高校の聖書科の教師、あるいは病院でカウンセリングを担当する人々を対象とする実践神学もある。
実践神学は、以下の三つに区分される。
・説教学
・牧会学
・教会音楽
説教学とは、教会において牧師が神の言葉について語る技法の研究である。説教案の構成、レトリックの用い方、感情を込めた話し方などについて研究する。弁論術や雄弁術と共通する技法も多い。
牧会学とは、牧師が信者の悩みや相談を聞いて、その解決法について研究する。通常のカウンセリングと異なり、悩みや相談をしてきた事柄を解決するために、共に神に祈ることを重視する学問である。
教会では、神を賛美するために賛美歌を歌う。神学生は賛美歌を覚えるとともに教会で使うオルガンの練習をする。最近では、パイプ・オルガンをもっている教会も増えたが、筆者が1979年に同志社大学神学部に入学したときは、大学の授業でパイプ・オルガンの演奏実習が行われる事例は珍しかった。
ところで、西方のカトリック教会、プロテスタント教会では、オルガンをはじめとする楽器を使う。これに対して、正教会では、楽器は非キリスト教的であると一切使わず、聖歌の合唱だけで礼拝(聖体礼儀)を行う。聖体礼儀は、神父と聖歌隊が交替で歌を歌いながら行うので、正教会に所属する教会にはかならず聖歌隊がある。
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